ロシア電子ビザ(e-Visa)の国境ポイント・出入国の条件について

2017年07月から、日本国籍を含めた一部国籍渡航者を対象に、ロシアの限定されたエリアへの出入国に限って、電子ビザ(e-Visa)の導入が認められました。

施行された当初はロシアの”一部の極東連邦管区”のみでしたが、昨年新たに”カリーニングラード州”、”サンクトペテルブルク市及びレニングラード州”も電子ビザの対象エリアに入り、2021年にはロシアの全地域へ拡大される見込みです。

ロシアのビザは原則、事前に大使館へ申請の前に申請予約を入れる必要があり、タイミングによってはビザ発給まで多くの所要日数がかかることがある一方で、オンライン上で申請する電子ビザは査証発給までの発給時間が4日前後と、時間効率的な面でもメリットがありますが、もちろん注意点もいくつか存在します。

本項では、ロシア電子ビザの申請〜渡航・出国までに特に間違えやすい出入国の際の国境ポイントに関する注意事項を図解します。

ロシア電子ビザ(e-Visa)で出入国可能エリアと国境ポイント

まずは電子ビザで出入国ができるエリアを見ていきます。

現在ロシアe-Visaで出入国が可能なエリアは、極東連邦管区サンクトペテルブルク市及びレニングラード州カリーニングラード州の3つの行政地区です(2020年03月時点)。
さらに、ロシア電子ビザは、共和国・地方ごとにそれぞれ出入国できるポイントが異なります。
国境ポイントは、それぞれの行政地域の空港・道路・鉄道駅・港などが当てはまります。

e-Visa渡航エリア

沿海地方(Primorsky Krai) 国境ポイント

沿海地方での出入国が可能な国境ポイントは以下の通りです。

  • ❶クネヴィッチ空港(ウラジオストク)
  • ❷ウラジオストク自由港
  • ❸ザルビノ港
  • ❹ポシェト湾
  • ❺マハリノ(クラスキノ)駅
  • ❻ハサン駅(→北朝鮮と隣接)
  • ❼ポルタフカ徒歩国境検問所(→中国と隣接)
  • ❽クロデコヴォ(ポグラニチニ)駅(→中国と隣接)
  • ❾トゥリー・ログ徒歩国境検問所(→中国と隣接)
サハリン州(Sakhalin Oblast) 国境ポイント

サハリン州での出入国が可能な国境ポイントは以下の通りです。

 

  • ❶コルサコフ港
  • ❷ユジノサハリンスク空港
カムチャツカ地方(Kamchatka Krai) 国境ポイント

カムチャツカ地方での出入国が可能な国境ポイントは以下の通りです。

  • ❶エリゾヴォ空港(ペトロパブロフスク市)
  • ❷ペトロパブロフスク・カムチャツキー港(ペトロパブロフスク市)
アムール州(Amul Region) 国境ポイント

アムール州での出入国可能な国境ポイントは、以下の通りです。

❶イグナチェヴォ空港(ブラゴヴェジェンスク市)

ハバロフスク地方(Khabarovsk Krai) 国境ポイント

ハバロフスク地方での出入国可能な国境ポイントは、以下の通りです。

❶ハバロフスク空港(ハバロフスク市)

チュクチ自治管区(Chuktotka Automonous Okrug) 国境ポイント

チュクチ自治管区での出入国が可能な国境ポイントは、以下の通りです。

❶ウゴリヌイ国際空港(アナディリ市)

ブリヤート共和国(Republic of Buryatia) 国境ポイント

ブリヤート共和国での出入国が可能な国境ポイントは、以下の通りです。

❶バイカル国際空港(ウラン・ウデ市)

ザバイカリエ地方(Zabaykalsky Krai) 国境ポイント

ザバイカリエ地方での出入国が可能な国境ポイントは、以下の通りです。

❶カダラ空港(チタ市)

サンクトペテルブルク市及びレニングラード州 国境ポイント

サンクトペテルブルク市及びレニングラード州での出入国が可能な国境ポイントは、以下の通りです。

  • ❶イヴァンゴロド徒歩国境検問所、イヴァンゴロド自動車国境検問所(→エストニアと隣接)
  • ❷トルフャノフカ自動車国境検問所(→フィンランドと隣接)
  • ❸ブルスニチノエ自動車国境検問所(→フィンランドと隣接)
  • ❹スヴェトゴルスク自動車国境検問所(→フィンランドと隣接)
  • ❺ビソーツク港
  • ❻プルコヴォ空港(サンクトペテルブルク市)
  • ❼サンクトペテルブルク大港
  • ❽サンクトペテルブルク旅客港
カリーニングラード州 国境ポイント

カリーニングラード州での出入国が可能な国境ポイントは、以下の通りです。

  • ❶カリーニングラード空港(フラブロヴォ市)
  • ❷マモノヴォ駅、マモノヴォ自動車国境検問所(→ポーランドと隣接)
  • ❸ソヴェツク駅、ソヴェツク自動車国境検問所(→リトアニアと隣接)
  • ❹カリーニングラード港
  • ❺バルチスク港
  • ❻スヴェルトイ港
  • ❼モルスコエ自動車検問所(→リトアニアと隣接)
  • ❽ポグラニチニ自動車検問所(→リトアニアと隣接)
  • ❾チェルニシェフスコエ自動車検問所(→リトアニアと隣接)
  • ➓グセフ自動車検問所(→リトアニアと隣接)
  • ⓫バグラティオノフスク自動車検問所(→ポーランドと隣接)

それぞれの共和国や州の主要な玄関口が国境ボーターとして指定されているようです。

ロシア電子ビザで渡航が認められている出入国ルート

電子ビザではこの国境ポイントを経由して出入国を行いますが、電子ビザのルール上、一度の申請につき、一つの行政地域のみの出入国・滞在が認められています。※申請時に予定する渡航地域を決めます。
また、ロシアの電子ビザは、他国のものと同様に出入国の手段が国境ごとに異なる点も大きな特徴の一つです
例えば徒歩検問所を経由して入国を試みる場合は、自動車ではなく歩いてロシア国内へ入らなければならない、ということになります。

指定されている国境・手段を介して出入国すること

☆沿海地方への渡航の一例…綏芬河駅(中国)→グロテコヴォ駅(ポグラニチニ市,ロシア)→ウスリースク→クネヴィッチ国際空港(ウラジオストク市)

上記のルートを見ていくと、

  • ❶入国時に指定された鉄道駅であるグロデコヴォ駅(ポグラニチニ市)を利用していること
  • ❷出国時に指定された空港であるクネヴィッチ国際空港(ウラジオストク市)を利用していること

それぞれの出入国の際、それぞれの指定された手段・国境検問所を経由しています。
グロデコヴォ駅のあるポグラニチニへ出入国を試みる場合は、駅が国境ポイントになっている為、鉄道を介する必要があります。
同様に、クネヴィッチ国際空港からの出入国も空港が国境ポイントの為、空路を介しての渡航になります。

この❶と❷の他に、沿海地方は道路と港湾にいくつかの国境検問所を設けており、そこを介しての出入国であれば、上図のウスリースク以外にもアルセーニエフやルチェゴルスクなどの別の市街地へ移動することも可能です。

本例では沿海地方ですが、サハリン州やカリーニングラード州でも上述の通りの出入国ルールが当てはまりますので出入国の際はご注意ください。

認められていない出入国ルート

今度は反対に、電子ビザでの出入国が認められないルートを見ていきます。

他の行政地域からの出入国

電子ビザではこの国境ポイントを経由して出入国を行いますが、電子ビザのルール上「一度の申請につき、ロシア連邦内の一つの行政地域のみの出入国・滞在」が認められています。

例えば、カリーニングラード州で滞在する場合は、同連邦内のレニングラード州やウラジオストク沿海地方への渡航はできません。
その他の行政地域へ渡航する場合は、一度カリーニングラード州を出て、ロシア連邦以外の国で改めてロシア電子ビザを申請・取得する必要があります。

指定されていない国境ポイントからの出入国

上記で解説した、ロシア政府が認めている電子ビザで出入国可能な国境ポイント以外の場所からの出入国は認められていません。

例えば、ハバロフスク地方の国境ポイントはハバロフスク空港のみです。
つまり、この地域では空路が唯一の出入国の手段となるので、その他のいかなる国道や港湾からの出入国は出来ませんのでご注意ください。

 

まだまだ制約が多いロシアe-Visa

本ページではロシア電子ビザ(e-visa)申請における、出入国における国境ボーダーについて解説しました。
電子ビザが施行されてからまだ3年弱ということも相まって、通常の大使館で申請するビザに比べるとまだまだ電子ビザ自体の効力は見劣りする部分があります。

ですが、2021月には制度の拡充として「電子ビザの対象地域をロシア連邦内全域に拡大」、「渡航期間中の行政地域間の横断が可能」などが検討されており、
今後は時間の効率や査証の取得難易度など、あらゆる側面を考慮して、通常のレギュラービザではなく、オンラインで手軽に申請できるロシアe-Visaが主流となるでしょう。

 

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